経済指標の発表時にはトレードしてはならない理由
FXをすると、値動きが異常な日があります。
それは経済指標の発表時で、その中でも特に市場に大きな影響を与え、値動きも大きくなる重要経済指標があります。
その値動きから、FXのイベントと呼ばれており、トレーダーは大きく稼げる可能性に魅力を感じます。
では、初心者も含め重要経済指標でのトレードはどのうにすればよいのか、今回はその重要経済指標の発表時の対応について考えていきます。
経済指標の発表時はトレードしてはならない理由
経済指標でのトレードはギャンブルである
重要な経済指標は世界中が注目するため、想像出来ないような値動きをします。過去100pips以上の値動きが、一瞬で起こったこともあるほどですのでリスクが大変大きいです。
中には、経済指標を分析してこのタイミングを狙ってエントリーをするトレーダーもいます。
しかし、経済指標の予想は100%当たるとは限らず、初心者であればなおさら難しい局面となります。もしトレードをするならそれはイチかバチかの単なるギャンブルトレードとなってしまいます。
重要経済指標時のトレーダー心理
ギャンブルトレードだと分かっていても、大きく上下する値動きに期待に胸を膨らませ、エントリーを繰り返した経験はありませんか?
その結果は、夢のような金額が手に入ったり、もしくは資金が底をつくほどの負けを経験したりしませんでしたか?
経済指標の発表時は、大きく勝ちたいと思っているトレーダーを特に魅了します。
FXのトレードに感情が入ると、うまくトレード出来ません。その感情が指標発表時に大きく表れてしまいます。まるで満月を見た狼という言葉が当てはまるように。
ギャンブルが当たっても外れても追いかけ始める
仮に、指標発表を狙ってエントリーし、その時を待ち構えます。
指標発表時間は21時30分。
21時29分。
55秒、56秒、57秒、58秒、59秒、
21時30分!!
頼むぅぅぅーーーー!!下がってくれー!!
(上がるか下がるか、それは50%の確率となるため祈りにも力が入る)
しかし、チャートは予想に反し逆方向の上へグングン伸びていく!
損失額が今まで見たことない額になったのが一瞬見えたと思ったら強制ロスカット?!!
悔しい感情が頭に溢れていたものの、チャートがまだまだ上へ伸びている。
それを見てあわててドテンでエントリー!
よし上がれー!!
しかし、なぜかエントリーしたとたんにチャートはどんどん商品下方向へ戻っていく。
またまた、慌てて損切り。そしてまた・・・・・
それはまるで船が通った後に起こる海岸に大きな波が寄せては返すようなイメージでチャートは上下し、それにつられてエントリーを繰り返す。
これは実際に経験した例ですが、実際に誰もが経験する可能性があることです。
指標時のチャートの動きにつられると、勝っても負けても熱くなってしまい、トレードルールなどない、なんの根拠もないままトレードを繰り返してしまいます。
なぜなら、チャートの動きが早すぎて考える時間を与えてもらえないからです。
スプレッドが大きく開くので注意
指標発表時にあわせて注意が必要なことがあります。
それは値動きが大きくなると、スプレッドが大きく開きます。
通常0.2~1円だったスプレッドが2円以上など信じられないくらい開くこともあります。そうすると、スプレッド分の値幅により、エントリーしただけで大きな損失となってしまいます。
指標発表時は結果を見てからトレード計画を立てる
今までコツコツと稼いできた貴重な資金が一瞬で失う可能性があるなら、そのトレードはやるべきではありません。
指標発表後に結果を確認してからでも、トレードするのは遅くありません。仮に結果が自分が良そうしていた方向に動き、エントリーチャンスを逃したなどと思ったとしても、実際は、指標発表後でもまだまだ利益を狙える可能性があり、トレンドを形成することもありますのでトレード計画を立ててじっくりエントリーする方が有効的です。
重要経済指標の発表の日はトレードを控える
この「重要経済指標発表の日はトレードしない」というトレーダーも多くいます。
もし、今勝てていないのなら、イベントに参加するのはやめて、通常のトレードで勝てるようになることの方が先だと思います。
初心者の方は、「重要指標発表時はトレードをしない」というトレードルールを決めるのも良いのではないでしょうか。
経済指標の中でこの3つの指標発表は特に注意
【雇用】米国雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)
世界でもっとも注目されている経済指標となり、FXトレードをやるうえで必ず知っていなければならない指標となります。
発表される指標の中でも、特に非農業部門雇用者数と失業率が注目されており重要です。
指標発表日:原則、毎月第1金曜日
発表時間 :<米国夏時間> 日本時間21時30分
(<米国冬時間> 日本時間22時30分)
米労働省労働統計局が、米国の労働者の雇用状況を調査した指標となる。
●非農業部門雇用者数
農業部門以外の産業で働く就業者数を、非農業部門に属する給与支払い帳簿を基に集計したもの。自営業者や農業従事者は対象外。
●失業率
労働力人口に対する完全失業者の占める割合。平均時給、労働参加率なども同時に発表される。
米国雇用統計が注目される理由
雇用統計とは、雇用情勢を表しており景気の良し悪しを判断する材料となります。
アメリカの経済は、約70%が個人消費が占めております。そのため、個人消費はアメリカの経済に与える影響力がかなり重要で、景気が良くなるかどうかは個人消費しだいと言えます。その個人消費は雇用の情勢が影響するため、注目が集まる指標となっております。
さらに、アメリカは世界一の経済大国であり、世界のGDPの約20%を占めています。そして、世界の基軸通貨も米ドルであるため、アメリカ経済の動向は世界で注目される理由です。
【金融政策】FOMC政策金利発表
FOMC(米連邦公開市場委員会)とは、「Federal Open Market Committee」の略でアメリカの金融政策を決定する会合のことです。
現在の景気判断と政策金利の上げ下げの方針が発表されます。
年8回発表(日本時間の午前3時から4時頃)
金利政策を行う理由
経済を安定させるために、金利を上げたり下げたりしている。
●金利を上げる→お金を借りにくくする=インフレを抑制
(インフレ=インフレーション:物価が上がること・通貨価値が下がること)
●金利を下げる→お金を借りやすくする=デフレを抑制
(デフレ=デフレーション:物価が下がること・通貨価値が上がること)
【景気】四半期GDP
米国内総生産(GDP)は、四半期ごとに発表される経済指標です。為替市場においては、このGDPが前期からどれだけ増えたのか(経済成長率)に注目しています。